相続に関するもめごとは、相続人間の意思の疎通不足や誤解、感情的なことが原因で起こっていることがほとんどのようです。このような場合、もはや当事者の話し合いのみで解決することは不可能に近いことと思われます。家庭裁判所の遺産分割調停手続は、家事審判官(裁判官)と調停委員で組織される調停委員会が、中立公正な立場で相続人一人一人から言い分を平等に聞いて調停に努め、具体的な解決案を考えてくれる制度です。他の相続人の前では言いにくいことも話せるため、問題の所在がはっきりして、みんなが納得する調停案が期待できます。それでも話し合いがまとまらなかった場合には、事件は審判手続きに移され、裁判所としての判断によって相続問題に終止符をうってくれます。