亡くなった父親の名義になっている実家を相続したO様ですが、お仕事の関係で、この家で暮らすことはできません。大変思い出深い実家ですが、空き家のままで放置しても危険なので売却することにいたしました。そこで自分への相続登記を省略して、直接買主名義に移転登記が出来ないかと相談にみえました。もし父親が生前実家を売却しており移転登記だけが未了であったなど特殊な事情があれば、売買の登記原因日付が父親の亡くなる前の日付になることから可能なのですが、この度の様に、相続という事実が起こった以降に売却をした以上、相続登記を省略して亡くなった方から買主へ直接名義を変えることはできません。ちなみに建物の取り壊しの登記は相続人からも申請できますので、建物を取り壊して土地だけ売却する予定なら、建物の相続登記はしないでおくのもよろしいでしょう。