相続登記を申請する際に法務局に登録免許税という税金を納めますが、この額は不動産の固定資産税の評価額を基準として計算いたします。この評価額は毎年送られてくる固定資産税の納付書に同封された課税明細書に記載されています。相続の登録免許税の税率は1,000分の4ですから、例えば評価額1,000万円の不動産であれば4万円が登録免許税ということになります。
ところで、固定資産税の評価額が分かっても、それだけでは登録免許税が計算できない場合もあります。土地はその種類(地目)によって評価額が異なりますが、一つの土地でありながら、課税評価上では複数の地目で評価されている場合があり、特に土地の一部が道路である場合は、道路部分に固定資産税が課されないことから、評価額から道路部分の価格がぬけてしまっているからです。
ご自分で相続登記を申請されたH様でしたが、法務局から登録免許税が不足しているため追加納付するようにと連絡が来ました。電話を受けた際に説明を受けたもののよく理解できず、お尋ねに来てくださいました。
案の定H様のケースは土地の一部に公衆用道路が含まれているパターンでした。この場合、固定資産税の評価の面積は登記簿の面積より小さいわけですから、評価されている面積の1㎡当たりの単価の30%を評価されていない部分の該当面積に当てはめて計算すれば、固定資産税が評価していない道路部分の評価額が簡単に出ます。このようにして計算して出した評価額を固定資産税の評価額に加算して税率を掛けたものが正しい課税評価額となるわけです。