公正証書遺言を残されていたT様のお父様がお亡くなりになり、ご自宅のマンションの名義変更のご依頼を受けました。
T様のお父様はお亡くなりになる10年以上前に遺言書を作成しており、遺言書作成の直後、都道府県をまたがり転籍され、住所も移されておりました。このような場合、問題となり得るのは、遺言作成者とお亡くなりになった方の合一性を証明することが難しくなることです。
T様のケースでは、お父様がお亡くなりになってすぐに相続手続きを始められたため、お父様の住民票の除票に、遺言作成時の住所が従前住所として出ておりましたので簡単に住所の変遷を証明できたのですが、複数回転籍や住所移転があった場合は少々厄介だったかもしれません。
公正証書遺言作成後、都道府県をまたいだ転籍や住所移転をする場合、その辺の変遷が分かる住民票や戸籍の附票を、遺言書と一緒に保管するなどされていればありがたいのですが、そこまで気が回る方はなかなかいらっしゃらないでしょうね。