入院した病院で余命一週間と宣告された方より公正証書遺言を作りたいとの希望をお受けいたしました。ご本人は公証役場に出向く体力がなかったので、公証人に出張を依頼しましたが直ぐの予定がつきませんでした。公正証書の代わりに自筆証書遺言を書くことはすでに不可能でした。そこで、死亡の危機に迫った方の遺言という、特別の方式の遺言で対応することといたしました。これは3人以上の証人が立ち会って、本人がその一人に遺言内容を口述、口述を受けた証人がその内容を筆記し、他の証人が内容が正確であることを承認したうえ、各証人が署名押印して作成するものです。遺言書作成から20日以内の家庭裁判所の確認、一定の条件で遺言の効力がなくなるなどの決まりはありますが、万が一の場合はこのような方法もあります。