相続税の基礎控除は定額控除が３，０００万円、法定相続人比例控除が一人６００万円。相続財産がこの基礎控除額の中に納まれば、相続税の申告の必要性が無くなります。Ａ様は生涯独身で、両親も亡くなっているので相続人は４人の兄弟のみです。この場合で相続税の基礎控除を計算すると、３，０００万円＋６００万円×４で５，４００万円となります。兄弟の中には疎遠になってしまっている人もいる中で、一番上の兄の娘である姪が何かと面倒を見てくれていたので、ご自分が亡くなった際は、この姪に全財産を譲りたいとのお考えで、姪と養子縁組することにいたしました。こうすれば、兄弟姉妹の相続権は無くなり、養女となった姪が唯一の相続人となります。その代わり相続税の基礎控除は３，０００万円＋６００万×１で３，６００万円。Ａ様の相続財産は５，０００万円前後が見込まれますので、相続税の基礎控除内に収まらなくなりそうです。逆に基礎控除を増やすため養子縁組をたくさんしても、実子がいない場合は２人までしかカウントされないので注意が必要です。
