生涯独身でお子様がいらっしゃらなかった女性が養子を迎えました。Aさんはその養子の長男です。不幸にもその養子の方は養親である女性より先に亡くなってしまいました。Aさんは、その後も女性の療養看護に努め、その女性が亡くなるまで看ておりました。Aさんとその女性が暮らしていたのはその女性名義の一軒家で、Aさんはできることなら、今後もそこに住みたいとご希望なさっておりました。ところが、Aさんがお生まれになったのは、女性がAさんの親である養子を迎える前。養子縁組前の子には相続権(代襲相続権)がありません。女性とAさんが養子縁組をするか、女性が生前にAさんに遺贈するとする遺言を残していてくれたらこんなことにはなりませんでした。