相続による不動産の名義変更に、登録免許税という税金を納める必要がありますが、この税金がどれだけになるかは固定資産税の評価額によってかなり差が出て来ます。この評価額を知るには毎年4月から6月にかけて市区町村から送られてくる固定資産税の納付書に記載(又は同封)されている課税明細書を見ればわかります。ただし、公衆用道路の場合は固定資産税がかかりませんので、課税明細書には非課税とだけ記載されております。でもこれは相続による不動産の名義変更時に納める登録免許税が非課税という意味では無いので注意が必要です。また、公衆用道路部分の課税価格をどのように割り出すかは、宅地部分と公衆用道路の位置関係や、管轄する法務局によって異なる取り扱いがありますので、管轄法務局に事前確認をした方がよろしいでしょう。
一番分かり難いのは、一つの土地でありながらその課税明細書の地積(土地の大きさ)として「登記地積」と「現況地積」の二つが記載されている場合です。それは一つの土地でありながら、課税上の扱いが宅地部分と公衆用道路部分に分かれるため、固定資産税を課税する宅地部分の面積がどれだけあるかということを示したいがためにこのような表示になっているのです。ですから、この評価額には固定資産税と無関係な公衆用道路部分は含まれていないことになるため、この評価額をそのまま鵜呑みにして登録免許税を計算すると、納付額が不足することとなります。
もし課税明細書や固定資産評価証明書に、非課税条文として「法348条2項5号」と記載されていれば、別途計算で割り出さなければならない公衆用道路の価格があるということなので、その部分を忘れずに加算したうえで登録免許税を算出してください。