法定相続により不動産を相続すると、法定相続分にしたがった共有関係が生じます。Y様は父親の所有していた土地を他の二人の兄弟と法定相続分で相続いたしました。三兄弟はそれぞれ独立した生活を営んでおりましたので、この土地を利用する特段の考えもなかったため、とりあえず駐車場として整備をして、収益を三等分する形で何年か経過いたしました。
共有関係にあると、共有者それぞれに土地の管理維持に関して異なる意見がでてくることはよくあることです。一番上の兄弟が、自分たちも高齢になってきたのでいっそのことこの土地を売却して売却代金を三等分したいと言い出したのです。Y様ともう一人の兄弟は、このまま駐車場として維持したいお考えです。そこでこの土地を3つの土地に物理的に分割して、それぞれ単独所有になるように「共有物分割」による持分移転登記をすることにいたしました。この登記をすることよって、共有関係が解消いたしますので、各自の考えに基づいて土地を処分または管理することが出来るようになります。
土地を物理的に分割してその旨の登記をするのは土地家屋調査士の業務です。当事務所は土地家屋調査士や測量士等、様々な分野の専門家と連携しておりますので、この様に他士業の分野のご相談をお持ちいただいても一向にかまいません。そもそもどの士業がどの分野を受け持っているのかは、一般の方には少々分かりにくいかもしれません。
この度も土地家屋調査士による分筆登記申請中から、この後行う共有物分割による持分移転の登記に必要な情報をお互いに共有しておりましたので、大変スムーズに三兄弟それぞれが単独所有する三つの土地に分けることが出来ました。