父親が多額の借金を残して亡くなったので、相続の放棄をしたいとのご依頼をいただきました。相続の放棄は知った時から3ヶ月以内にする必要があるため、時間的な余裕はありません。早速「相続放棄申述書」の作成を開始いたしました。ところがお父様の相続財産について調査する過程で、お父様がお住まいのご自宅がお爺様の名義であることが分かりました。お父様はお爺様が亡くなった3か月以内に相続放棄をしていないわけで単純承認したとみなされており、ご自宅は、登記名義はともかく既にお父様の財産となっております。また相続債務にくらべて自宅の資産価値は遥かに高いものでした。お父様の相続を放棄しておいて、お爺様の財産を相続する術はありません。熟慮期間3か月は短いですが、このような場合もありますので慎重な調査をするべきです。