A様の相続人は子供のB様とC様のお二人でしたが、A様はC様の子である孫のD様を養子にいたしました。養子は実子と同じ相続分を有しますので、これでB様、C様、D様がそれぞれ3分の1ずつ相続することになりました。さて、相続人が被相続人より先に亡くなると、亡くなった相続人の子が相続人となることになっておりますが(代襲相続)、この事例でC様がA様より先に亡くなった場合、D様は養子としての相続分3分の1と代襲相続人としての相続分3分の2の合計3分の2を相続するのでしょうか。D様の相続人としての身分は、それぞれ民法で定められた養子としての身分と代襲相続人としての身分という異なる身分で相続権が認められているものです。このような場合は二重の相続を認めるのが実務の取り扱いです。