相続登記の申請に関与しなければならない相続人が誰なのかはいくつかのパターンがあります。法定相続分による相続登記は、相続人中一人からの申請でも可能で、遺産分割協議で単独で相続した人も一人で申請することになります。このように相続登記の申請人は相続人中の一人というパターンが多いようです。ご主人をなくされて３人のお子様と相続したＮ様ですが、遺産分割協議がなかなかまとまらず、とりあえず法定相続分に従い相続登記をしておきました。この度ようやくＮ様が単独相続することで協議がまとまりましたので、その登記を申請することになりましたが、既にしてある法定相続による登記は間違った登記ではないので錯誤を理由に抹消はできません。そこで３人のお子様の持分をＮ様に移転する登記を申請します。ですから、Ｎ様が権利者で３人のお子様を義務者とした共同申請となります。３人のお子様が法定相続したときに発行された登記識別情報や印鑑証明書の添付も必要となります。ちなみに登記原因は「相続」ではなく遺産分割協議成立の日をもって「遺産分割」とします。
