父親が残した不動産について、M様ほか三兄弟で遺産分割協議を行い、M様が単独で相続することに話し合いがまとまりました。ところが遺産分割協議書はそのうち相続登記をするときに作成すればよいとの判断のもと、約10年間放っておいてしまったのです。その間に兄弟の一人が亡くなりました。亡くなった兄弟には奥さんと子供たちの相続人がおります。こうなるとM様単独の相続登記をするとなると、亡くなった兄弟の相続人も加えて遺産分割協議をやり直さなければなりません。運悪く、兄弟の子(M様から見れば甥っ子)が、不動産を売却したうえで法定相続分に該当する代金を支払うよう要求してきました。この要求は不当ではありませんので無視することはできません。相続登記はいつまでにしなければならないという決まりはありませんが、放置すると困ったことになることがよくありますので、早めの手続きをお勧めいたします。