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Ａ様は所有する不動産を、大変お世話になった友人に、自分が亡くなったら無償で譲る旨（これを遺贈といいます）の遺言書（自筆証書遺言）を作成いたしました。また、遺言執行者として、唯一の相続人である妹、本事例の相談者であるＳ様を指定いたしました。Ａ様がお亡くなりになり、Ｓ様とそのご友人が遺言書を持参になり、不動産の名義変更のご相談にみえました。ところが、この遺言書には印鑑が押してありません。つまり、遺言書は無効だったのです。幸い相続人がＳ様お一人であったことと、Ａ様と友人との間で不動産の無償譲渡の合意があったとみなせましたので、死因贈与の形で名義変更をいたしましたが、ちょっとしたミスで無効になる自筆証書遺言の怖さを痛感した事例です。
