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2019.10.07

遺産分割協議をすべき相続人中に既に亡くなっている方がいる場合の対応 川崎市幸区O様

 O様のご両親がそれぞれ2分の1ずつの持分をお持ちのマンションの相続手続きについてご相談をいただきました。お母様は既に10年近く前にお亡くなりになっておりますが相続手続きはなされておりません。この度お父様も亡くなられたことから、相続手続きをすることになさったそうです。
 相続人は長男のO様と長女であるお姉様の二人です。マンションにはO様がご自身のご家族とお住まいで、お姉様は嫁がれて別の生活拠点があるため、お母様の持分もお父様の持分もすべてO様が単独で相続するようにしたいというのがお二人の希望です。 
 問題は10年前の母の相続の時なにも手続きをせず、当時の相続人であるお父様、お姉様、O様の3人のうちお父様がその後お亡くなりになってしまった以上、お母様の持分についての遺産分割協議をすることが出来ないのではないか。その結果、お母様の持分の内8分の1についてはどうしてもお姉様が取得せざるを得なくなってしまっているのではないかという点にあります。
 このような場合は、お母様の相続につき遺産分割協議をする権利義務を有していたお父様の立場をお姉様とO様が引き継いだと考えることができるので、「亡父相続人兼相続人」という立場で、お母様の持分についての遺産分割協議が可能となります。
 よく似た事例で、もしO様が一人っ子で最終的に唯一の相続人となった場合、遺産分割協議をする相手方がいないため、「亡父相続人兼相続人」として協議をする余地はなく、原則通り法定相続による登記をして4分の1(母持分の父相続分)については亡父名義にしたうえで、改めて父親持分をO様に移転することが必要になる事になります。

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