土地を相続した場合の遺産分割の方法には「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有分割」の4種類があります。現物分割とは、遺産をあるがままの姿で分割するもので、相続人の数と相続分に見合った土地が存在することは考えられませんので、現実には相続した不動産を相続割合に応じて分筆の上相続するような場合です。代償分割は相続人の一部が不動産を取得する代わりに、その他の相続人に代償金を支払う方法です。換価分割は、相続不動産を売却して売却代金を相続分に応じて分配する方法、共有分割は相続割合に応じて共有持ち分を取得する方法です。
I様ほか3人の兄弟は父親名義の不動産を相続いたしましたが、兄弟はそれぞれ独立して遠隔地に住んでいるため、だれも不動産を維持管理できそうにありません。そのため「換価分割」の方法をとることにいたしました。売却手続きの都合でとりあえずI様が単独相続したことにして売却手続きに入りました。
この様な場合注意しなければならないのは、作成する遺産分割協議書に、相続人中の一人が単独で相続するのは換価分割をするためで、売却が出来た暁には売却代金を相続分に応じて分配する旨を必ず記載することです。この記載を漏らして売却代金を分配してしまうと、登記名義を取得した相続人から他の相続人へ金銭を贈与したことになってしまい、高額な贈与税が課税されることになってしまいます。