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2018.11.30

相続開始から10年近くたっての相続放棄 川崎市川崎区 B様

相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に」家庭裁判所に申述しなければならないのが大原則ですが、相続財産が存在しないと信じており、そのように信じることに相当な理由があれば、3ヶ月の起算点をずらすことが出来ます。
B様からご依頼いただいたのは、相続開始から10年近くたってからの相続放棄です。
あることがきっかけで、約10年前に亡くなった母親が父親の経営している会社の債務の連帯保証人になっており、B様と兄弟たちがその連帯保証債務を相続していることを知ってしまったのです。さすがにこれだけの時が経過していれば今さら放棄は無理なのではと、ご本人たちも半ばあきらめているような状態でした。インターネットで相続の放棄について調べても、調べれば調べるほど不安材料が増える一方だったようです。
このような事例で一番大切なことは、これだけの長い年月が経過していながら、自分が相続人であったこと知らなかったという事実を、いかに裁判所に理解してもらうかにつきます。それは相続放棄の申述に際して提出する「上申書」や、その後裁判所からなされる「照会」にいかに的確に説明し回答するかです。長々と言い訳を書き綴るよりも、必要な要件を一つも漏らさず、できるだけ簡潔な文書にまとめることが大切です。
B様は当初、当事務所が作成した書類があまりに簡潔過ぎて、ご満足いただけていないようでした。それというのもインターネット情報で、何十ページにも及ぶ分厚い上申書を提出したのにそれでもだめだったという事例があったのに対して、あまりに簡潔過ぎる様に見えたからです。インターネット情報の多くが、単に不安をあおるだけの不確かな情報であることを痛感いたしました。
先ほどごB様から連絡をいただきました。本日、相続放棄申述書が無事受理されたとのことです。

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