K様のお父様が10年前に亡くなりました。相続人はお母様と長女のK様のみです。お父様はご自宅の登記名義をお持ちでしたが、相続登記はいつかやろうと思いつつ手を付けませんでした。昨年お母様も亡くなってしまい、この度ようやく相続登記のことをお考えになったそうです。生前のお母様とは、相続登記はしないといけないという程度の話はしておりましたが、具体的にどの様に相続するかについては特に話していなかったようです。このような場合は法定相続ですべて処理するしかありません。つまり、お父様が亡くなったときをもって、お母様とK様が法定相続分の2分の1ずつで相続をしたという相続登記をして、さらに昨年お母様が亡くなったときをもって、お母様の持分2分の1をK様が相続したという2回の相続登記をすることとなるのです。相続登記を申請するとき納める登録免許税も、お父様の名義からK様の名義に直接移せるなら一回分の納税で済むのですが、2回分のため1.5倍の額になってしまいます(2回目はお母様の持分が2分の1のため2倍にはなりません)。幸い、平成30年4月1日より平成33年3月31日まで、亡くなった方名義の土地の相続登記に関して登録免許税がかからない措置が取られておりますので、1回目はお母様の相続する2分の1が非課税になり、2回目相続分はもともと2分の1ですから、結局お父様からK様に触接移すのとあまり変わらない納税額となりました。あくまでも土地の相続に関するもので、建物の相続に非課税措置はありませんが、建物は土地に比べると課税価格が低いのが通常ですので、この機会を利用して、放っておいた相続登記を進めるには良いタイミングといえます。