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2019.04.09

公正証書遺言でも遺せる特別な思い「付言」 横浜市保土ヶ谷区 M様

 遺言書に記す「特別の思い」や「願い事」のことを「付言」といいます。付言には法的な拘束力はありませんが、何故この様な遺言内容にしたかの理由などを記載して、相続人の遺言に対する不満を和らげる効果が期待できます。
 公正証書遺言は遺言内容を公証人に伝えて、公証人に作成してもらうものです。形式や内容に不備があって無効になるような心配がありませんし、効力発生後の家庭裁判所の検認手続きも不要なので、いくつかある遺言書の形式の中では一番安心して作成できるものといえます。ただしその分、必要最低限のことだけ簡潔に記載して、法的に拘束力のない付言事項まで加えてもらえないようなイメージがありますが、そのようなことはありません。
 M様は三人の子供たちのうち、長男にほとんどすべての財産を相続させる旨の遺言公正証書を作成されました。これは三人の子供の中に障害をお持ちの方がいらっしゃり、ご自分が亡くなった後、長男が障害をもつ兄弟の支援をすると確約してくれたからです。M様は遺言内容を公証人に伝えるに際して、この辺の事情を付言事項として記載してほしい旨を伝えました。短い付言でしたが、長男に多く相続させる事情と他の相続人が納得をしてくれることを願う旨の簡潔な文章が遺言書の最後に記載されました。
 公正証書という公文書でありながら、心がかよった暖かい遺言書になり、M様も大変ご満足のご様子でした。

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