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2020.10.06

公正証書遺言作成手数料の病床加算を免れた事例 川崎市麻生区 A様

 公証役場で公正証書遺言を作ってもらう場合の公証人の手数料は公証人手数料令という法律で定められており、公証役場によって異なるということはありません。ところがA様の叔父様に当たる方の公正証書遺言の作成をお手伝いしたとき、解釈の違いによって手数料が異なってくる可能性があるかもしれないと感じた事がありました。それは「病床加算」の適用の有無についてです。
 A様の叔父様はいたって健康なのですが、高齢のため公証役場まで出向くのは少々不安があり、公証人に出張費を払ってでもご自宅での公証をお望みだったのです。その前提で公証役場にお見積もりを依頼したところ予想より高かったため、調べてみたところ病の床に伏している人を訪問して公証する場合の「病床加算」がなされていることが分かりました。これは公証役場に出向く場合の1.5倍の手数料がかかるものなのですが、A様の叔父様は決して病床にあるのではありません。
 公証役場の事務員が思い込みで誤った事とは思いますが、通常、公証役場に見積額を提示されれば、疑いもせずこんなものなのかと納得してしまうのではと思います。当事務所では必ずお受けした事案の場合、公証役場の手数料がどのくらいになるか試算してからお見積もりを依頼します。この度も公証役場に状況を再度説明し、病床加算の適用を免れることができました。

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