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2019.07.30

遺留分侵害額請求権という金銭債権と遺留分を侵害する遺言の効果  横浜市中区 S様

 会社経営をなさっているS様が、その事業のために使っている土地建物と会社の株式を、共同経営をしている長男に単独で相続させたいので、その旨の遺言書を作成したいとご相談にみえました。S様の推定相続人はその長男と長女の二人だけです。本来2分の1ずつの法定相続分になるところなのですが、S様の場合、全財産に占める土地建物と会社株式の評価額が圧倒的に高く、その他の財産をすべて長女に相続させるとしたところで相続人に保証される最低の相続分、つまり「遺留分」にも足りません。S様の目的は、将来の会社の安定経営のために土地建物の共有化と会社経営に関与しない相続人の株式取得を避けることです。決して子供たちを不平等に扱うつもりではありません。しかしながら明らかに相続人の遺留分を侵害する遺言書を作成する以上、将来起こり得る利害の調整についてはあらかじめ考慮しておく必要があると思います。
 ところで、この遺留分に関するルールが大きく改正されました。今までは、長女が遺留分だけは戻してくれと請求すると、当然に所有権が移転したのですが(ここでは「価格賠償」については考慮しません)、改正後は遺留分侵害額に相当する金銭債権が発生するということになったのです。つまり、今まで「遺留分減殺請求の行使」がなされると、土地建物の場合、本来の相続分の半分である4分の1が当然に移転し、長男と長女の共有関係が生まれ、株式であれば4分の1は長女が取得したのですが、新しい「遺留分侵害額請求権の行使」であれば、4分の1に相当する金銭債権が発生するだけなので、これを支払ってしまえば共有関係を解消するための面倒な手続きが不要となったわけです。
 将来長男と長女がどのように利害の調整をするかという問題は残るものの、このような特別な事情に基づく遺言が作りやすくなったというのは間違いないようです。

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